2003年7月2日水曜日

新ネットワーク思考から・その02

 アルバート=ラズロ・バルバシは、大半のノードがわずかのリンクをもっているにもかかわらず、ごく少数のハブが莫大なリンクを集めていることを知り研究を進め、度肝を抜かれる結果を得ることとなった。リンク数の度数分布が「ベキ法則」にしたがっていることを知ったのである。
 
 つまりベキ法則は、わずかなリンクしかもたない大多数のノードと、莫大なリンクをもつ一握りのハブが共存しているという特徴を数式で表したもので、これが現実のネットワークのほとんどなのだということを知ったのである。
 
 従来のランダムネットワークの特徴であるピークをもつ度数分布は、大半のノードがほぼ同数のリンクをもち、ここから外れる度数分布をもつノードは極めて少ない、ということを意味している。つまり、ノードがもつリンク数に「スケール(尺度)」が存在するのである。
 
 一方、ベキ法則に従う系の度数分布にはピークは現れず、現実のネットワークには、系を特徴づけるるような平均的ノードは存在しない。このため、ベキ法則に従うネットワークをスケールフリーと呼ぶことにし、スケールフリーネットワークという言葉を誕生させることになったのである。
 
 その後、ウエブから細胞内のネットワークまで、概念上の重要なネットワークはたいていスケールフリーであることが明らかになり、ハブは偶然の産物などではなく、存在すべくして存在していたことが分かってきた。
 
 ではなぜスケールフリー・モデルにはハブとベキ法則が現れるのだろうか?研究の結果は「成長」と「優先的選択」という二つの法則に支配されていることが見いだされた。つまり、ノードが次々に付け加わり、そのつどリンク数の多いノードを選択していくと、ついにハブが出現するのである。
 
 このことは、「金持ちはもっと金持ちに」という現象を引き起こし、この現象から現実のネットワークに見られるベキ法則が自然に導かれることになる。
 
 しかしここで、スケールフリーモデルの基本的予想である「早い者勝ち」の原理を破っている検索エンジン「Google」の登場によって、どうして一夜にしてハブになることが出来るのか、という課題が突きつけられることになったのである。

 つづく。

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