記事を書くのにだいぶ間を空けてしまった。もう一つの blog の実験に取り掛かっていたからである。それは写真と記事を post する blog で、今ではメンバーが直ちに comment してくる。
写真中心の blog として Fotolog.net を選んだ。花の写真と記事を一日ひとつだけ post できる。まいにち好みの写真を post していたら3日目になって、最初にポスとした写真に comment が書き込まれているのを見つけた。
そこで comment をつけてくれた人の URL に行ってみると、花の写真が主に post されている blog であった。さっそく私も comment を書き込んで Friends/Favorites に登録した。こうして Friends が増えていった。
そのうち member の様子を見たいと思って Directory のBrowse を name で行ってみると、その数は莫大なので、アルファベットの kojimata 順に眺め、花の写真のある URL を Friends/Favorites に登録した。
暫くするとサーフインすることも楽しくなり、また幾つかの blog を Friends/Favorites に登録した。ブラジル、アメリカ、ドイツなどの方々で、member 各人の好みも少しずつ分かるようになって来た。
時には驚くような訪問者にも出会う。訪問者もきっと、私が驚くべきものに見えているのかもしれない。member の中に色々な感性を持った人がいて、お互いに感性の違いを発見することが出来るのはとても楽しい。
つづく。
2003年7月28日月曜日
2003年7月13日日曜日
新ネットワーク思考から・その03
アルバート=ラズロ・バルバシは、スケールフリー・モデルでは Google のように新入りが成功する見込みはない、なぜならこのモデルでは、それ以前のモデルと同様、ノードはどれもみな同じとしているからであると考える。だがここで、ノードはそれぞれ異なるという点を考慮しなければならない、ということに気が付くことになったのである。
そこで、新入りに成功するチャンスを与えるための手っ取り早い応急処置を考え、競争的環境において、ノードはそれぞれ「適応度」をもつとしてみたのである。この「適応度」によって、それぞれのノードが競争の最前線にとどまる能力を定量化したのである。
しかしここで新たな疑問が提起された。スケールフリー・モデルに見られるベキ法則の根底には、全てのノードは同じダイナミックな規則に従ってリンクを獲得するという仮定があった。しかるにノードごとに成長速度が異なるようなネットワークは、スケールフリーになるのだろうか、というものである。
この疑問を含めて適応度モデルの性質を詳しく調べていくうちに、簡単な数学的変形を施すと、ボーズ=アインシュタイン凝縮と一致する式が出現し、ネットワークの中に「一人勝ち」現象を起こすものがある、ということが先ず分かってきたのである。
更に研究を続けていくと、ネットワークの振る舞いとトポロジーはリンクやノードの性質とは関係なく、適応度分布の形で決まることがわかってきた。このことは、トポロジーの観点から、すべてのネットワークは二つのカテゴリーに分類出来ることを示唆していたのである。
一番目のカテゴリーに属するのは、スケールフリー・トポロジーが生き残るようなネットワークで、「適応度の高いものが金持ちに」なり、適応度の一番高いノードが最大のハブに成長するというものである。どの時点でもノードにはヒエラルキーが存在し、度数分布はベキ法則に従うのである。
二番目のカテゴリーに属するのは、適応度の一番高いノードがすべてのリンクを奪い、他のノードのリンクはほとんど無くなるようなネットワークである。この「一人勝ち」ネットワークはスケールフリーではないことが分かってきた。ハブが一つだけあり、残りはすべて小さなノードなのである。
この違いは重要である。あれほどすばやい成功を収めた Google も一人勝ちではなく、「適応度の高いものが金持ちになる」という典型的な例なのである。それに対して、すべてのリンクを奪ったスターがいる一人勝ちネットワークには挑戦者の居場所が無いということである。
一人勝のネットワークは、現実に存在するだろうか?もしもそんなものがあれば目に付かないはずはない。一人勝の現象は、スケールフリー・トポロジーの特徴であるハブのヒエラルキーを打ち壊し、一つのノードがすべてのリンクを奪う星形のネットワークに変えてしまうはずである。
つづく。
アルバート=ラズロ・バルバシは、スケールフリー・モデルでは Google のように新入りが成功する見込みはない、なぜならこのモデルでは、それ以前のモデルと同様、ノードはどれもみな同じとしているからであると考える。だがここで、ノードはそれぞれ異なるという点を考慮しなければならない、ということに気が付くことになったのである。
そこで、新入りに成功するチャンスを与えるための手っ取り早い応急処置を考え、競争的環境において、ノードはそれぞれ「適応度」をもつとしてみたのである。この「適応度」によって、それぞれのノードが競争の最前線にとどまる能力を定量化したのである。
しかしここで新たな疑問が提起された。スケールフリー・モデルに見られるベキ法則の根底には、全てのノードは同じダイナミックな規則に従ってリンクを獲得するという仮定があった。しかるにノードごとに成長速度が異なるようなネットワークは、スケールフリーになるのだろうか、というものである。
この疑問を含めて適応度モデルの性質を詳しく調べていくうちに、簡単な数学的変形を施すと、ボーズ=アインシュタイン凝縮と一致する式が出現し、ネットワークの中に「一人勝ち」現象を起こすものがある、ということが先ず分かってきたのである。
更に研究を続けていくと、ネットワークの振る舞いとトポロジーはリンクやノードの性質とは関係なく、適応度分布の形で決まることがわかってきた。このことは、トポロジーの観点から、すべてのネットワークは二つのカテゴリーに分類出来ることを示唆していたのである。
一番目のカテゴリーに属するのは、スケールフリー・トポロジーが生き残るようなネットワークで、「適応度の高いものが金持ちに」なり、適応度の一番高いノードが最大のハブに成長するというものである。どの時点でもノードにはヒエラルキーが存在し、度数分布はベキ法則に従うのである。
二番目のカテゴリーに属するのは、適応度の一番高いノードがすべてのリンクを奪い、他のノードのリンクはほとんど無くなるようなネットワークである。この「一人勝ち」ネットワークはスケールフリーではないことが分かってきた。ハブが一つだけあり、残りはすべて小さなノードなのである。
この違いは重要である。あれほどすばやい成功を収めた Google も一人勝ちではなく、「適応度の高いものが金持ちになる」という典型的な例なのである。それに対して、すべてのリンクを奪ったスターがいる一人勝ちネットワークには挑戦者の居場所が無いということである。
一人勝のネットワークは、現実に存在するだろうか?もしもそんなものがあれば目に付かないはずはない。一人勝の現象は、スケールフリー・トポロジーの特徴であるハブのヒエラルキーを打ち壊し、一つのノードがすべてのリンクを奪う星形のネットワークに変えてしまうはずである。
つづく。
2003年7月2日水曜日
新ネットワーク思考から・その02
アルバート=ラズロ・バルバシは、大半のノードがわずかのリンクをもっているにもかかわらず、ごく少数のハブが莫大なリンクを集めていることを知り研究を進め、度肝を抜かれる結果を得ることとなった。リンク数の度数分布が「ベキ法則」にしたがっていることを知ったのである。
つまりベキ法則は、わずかなリンクしかもたない大多数のノードと、莫大なリンクをもつ一握りのハブが共存しているという特徴を数式で表したもので、これが現実のネットワークのほとんどなのだということを知ったのである。
従来のランダムネットワークの特徴であるピークをもつ度数分布は、大半のノードがほぼ同数のリンクをもち、ここから外れる度数分布をもつノードは極めて少ない、ということを意味している。つまり、ノードがもつリンク数に「スケール(尺度)」が存在するのである。
一方、ベキ法則に従う系の度数分布にはピークは現れず、現実のネットワークには、系を特徴づけるるような平均的ノードは存在しない。このため、ベキ法則に従うネットワークをスケールフリーと呼ぶことにし、スケールフリーネットワークという言葉を誕生させることになったのである。
その後、ウエブから細胞内のネットワークまで、概念上の重要なネットワークはたいていスケールフリーであることが明らかになり、ハブは偶然の産物などではなく、存在すべくして存在していたことが分かってきた。
ではなぜスケールフリー・モデルにはハブとベキ法則が現れるのだろうか?研究の結果は「成長」と「優先的選択」という二つの法則に支配されていることが見いだされた。つまり、ノードが次々に付け加わり、そのつどリンク数の多いノードを選択していくと、ついにハブが出現するのである。
このことは、「金持ちはもっと金持ちに」という現象を引き起こし、この現象から現実のネットワークに見られるベキ法則が自然に導かれることになる。
しかしここで、スケールフリーモデルの基本的予想である「早い者勝ち」の原理を破っている検索エンジン「Google」の登場によって、どうして一夜にしてハブになることが出来るのか、という課題が突きつけられることになったのである。
つづく。
アルバート=ラズロ・バルバシは、大半のノードがわずかのリンクをもっているにもかかわらず、ごく少数のハブが莫大なリンクを集めていることを知り研究を進め、度肝を抜かれる結果を得ることとなった。リンク数の度数分布が「ベキ法則」にしたがっていることを知ったのである。
つまりベキ法則は、わずかなリンクしかもたない大多数のノードと、莫大なリンクをもつ一握りのハブが共存しているという特徴を数式で表したもので、これが現実のネットワークのほとんどなのだということを知ったのである。
従来のランダムネットワークの特徴であるピークをもつ度数分布は、大半のノードがほぼ同数のリンクをもち、ここから外れる度数分布をもつノードは極めて少ない、ということを意味している。つまり、ノードがもつリンク数に「スケール(尺度)」が存在するのである。
一方、ベキ法則に従う系の度数分布にはピークは現れず、現実のネットワークには、系を特徴づけるるような平均的ノードは存在しない。このため、ベキ法則に従うネットワークをスケールフリーと呼ぶことにし、スケールフリーネットワークという言葉を誕生させることになったのである。
その後、ウエブから細胞内のネットワークまで、概念上の重要なネットワークはたいていスケールフリーであることが明らかになり、ハブは偶然の産物などではなく、存在すべくして存在していたことが分かってきた。
ではなぜスケールフリー・モデルにはハブとベキ法則が現れるのだろうか?研究の結果は「成長」と「優先的選択」という二つの法則に支配されていることが見いだされた。つまり、ノードが次々に付け加わり、そのつどリンク数の多いノードを選択していくと、ついにハブが出現するのである。
このことは、「金持ちはもっと金持ちに」という現象を引き起こし、この現象から現実のネットワークに見られるベキ法則が自然に導かれることになる。
しかしここで、スケールフリーモデルの基本的予想である「早い者勝ち」の原理を破っている検索エンジン「Google」の登場によって、どうして一夜にしてハブになることが出来るのか、という課題が突きつけられることになったのである。
つづく。
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